年収1000万ママ 仕事はつらいよ

キャリアも結婚も子供も手に入れたけど、もっと幸せ感じたくて、もっと楽に稼ぎたくてもがく日々。

ファッションとアニメの甘い関係

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原宿のオフィスに向かって表参道を歩いていると、道の向こうにどこでもドアから出できた3Dのドラえもんが見えた。よくみると、イタリアの高級ブランド、グッチのショーウインドウである。グッチは今、ドラえもんとのコラボで14万円のショルダーバッグや27万円のセーターなどを販売している。おしゃれにデフォルメされたりシンプルなモチーフにアレンジされたりせず、”まんま”のドラえもんがバッグのど真ん中にプリントされ、セーターのど真ん中に編み込まれている。このアイテムたちがスタイリッシュなのかどうかはよくわからないけど、天下のグッチがやっているんだからおしゃれなんだろう。

www.gucci.com

その向かいにはスペインの高級ブランド、ロエベのウインドウにトトロがいる。説明する必要もないけど、日本が世界に誇る宮崎駿アニメの名作「となりのトトロ」である。なんでロエベがトトロと?ロエベとトトロには共通点があるらしく、下の記事でクリエイティブディレクターが語っているけど、なんか無理やり考えた言い訳っぽい・・・。

www.elle.com

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 高級ブランドがアニメとコラボして人気キャラのグッズを出すことは、もはや珍しいことではない。去年はフランスブランドのロンシャンがポケモンとコラボしてピカチュウのバッグを出していたし、一昨年には化粧品ブランドのシュウウエムラがおなじくピカチュウのコスメを出していた。

でも、人によっては”ラグジュアリーブランドとアニメキャラってイメージ合わないけど・・・”とか”大好きなキャラでもこんな高いもの誰が買うんだろう・・・”って思うかもしれない。(特にドラえもんは庶民の味方だしね!)

長年ファッション業界で働く私が、ずばり、お答えしましょう。

売れるんです。アニメコラボ。

むしろ普通のファッションアイテムが売れなくなってきた。だからどこのブランドもこぞってするんです。アニメやゲームやSNSで人気のセレブ(渡辺直美さんとか)とのコラボ。

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 うちの会社が扱うブランドでも、去年ピカチュウのコラボアイテムを作ったら、オンラインで発売開始数時間で、用意していた数百個が売り切れ。本当は、都内のポケモンセンター(全国でポケモングッズを販売するチェーン店)で発売する予定だったのに、店までたどり着かなかった。そこで今年ははるかに多い数でコラボ第二弾の注文をいただけそう。ピカチュウ恐るべし。また、去年は社会現象にもなった毀滅の刃のコラボグッズもだして、たくさん売ることができた。特に煉獄さん。

でも、普通の商品が売れない・・・。もう「新作だから」「おしゃれだから」という理由でファッションアイテムを買う消費者があまりいない。物を買うのに、「好きなストーリー」や「好きな世界観」、「好きなキャラクター(パーソナリティ)」という動機付けが必要なんだと思う。自分が毎週見て一緒に育った漫画やアニメ、はまって毎晩遊んだゲーム、大好きな「押し」キャラ。そういった自分の心がどっぷりはまったコンテンツに関連したファッショングッズなら、お金を惜しまずに買う人が多いのだろう。

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まあ、でも世界中で知られているような名作アニメや何十年にわたり愛されてきたキャラクターならまだわかる。私が最近びっくりさせられたのは、YoutuberやVtuberの影響力。私の扱ってるブランドが一昨年に、日本でも知名度で5本の指にはいる人気Youtuberグループとだしたコラボ時計、はじめに数百個を売り出したところ、瞬殺。たちまち売り切れてしまい、次の年に同じ時計を受注形式で再販したところ、今度は数千個のオーダーが付いた。また、ある大手Vtuber事務所の依頼で作った複数のVtuberキャラのコラボ時計も販売数時間で数千個売れたらしい。すごい。

今のYoutuberやVtuberって、本当にアイドルやスターの存在なのだ。30代後半や40代以上の人たちにとっては、音楽チャートトップのスター歌手や、月9ドラマの主役の女優さんやメジャーリーガーの野球選手みたいな存在が、今の10~20代の若者にとってのYoutuber。小学生のアンケートで将来なりたい人気の職業にYoutuberがランクインするのも無理はない。

でも、私には理解不能。だって、前述の人気Youtuberグループの動画見てみたけど、本当にとるにたらないくだらない内容ばかりだったんだもん。なんかおばかなことをやってみた、系の動画。二晩眠らないで我慢する、とかさ。暇な時間にこういう動画をみて面白がるのはまだわかるけど、この人たちのオリジナルグッズをお金だして買う心境はわからない。(自分の会社がデザインした商品でも 汗)

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そんなこんなで、最近の若者の消費傾向をつかめきれない私でした。Go ladies!