コロナで香港の会社をクビになった40歳ママの転職活動。キャリア激動の2020年の記録。
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①香港と日本で就活スタートhttps://mamabucho.hatenablog.jp/entry/job-hunting1
②スイス高級時計ブランド応募https://mamabucho.hatenablog.jp/entry/2021/01/30/183331
③伊高級ジュエリーブランド応募https://mamabucho.hatenablog.jp/entry/jobhunting3
④仏高級ジュエリーブランド応募→今回はここ
⑤米EC大手応募
⑥日本発ファストファッションブランド応募
⑦日本の代理店から仕事の依頼
⑧正社員かフリーランスか
⑨スイス大手時計グループ応募
⑩米日用品大手化粧品ブランド応募
⑪伊アイウェア大手サングラスブランド迷う
⑫転職活動を振り返って
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4月初旬。
転職活動2週目、3つ目の面接はイタリアやフランスの高級ファッションブランドを多数抱えるケ○○○グループのフランス系高級ジュエラー。私は、若い頃から雑誌で見るこのブランドのリングに憧れていて、結婚指輪として手に入れた大好きなブランド。
やはりビズリーチ経由で連絡をくれた日本人男性のエージェントから紹介された案件。職種はトレードマーケティングマネージャー。顧客向けの展示会やポップアップストア、ウエディングフェアの企画運営をする仕事で、ヴィジュアルマーチャンダイジング(VMD、店頭でのディスプレイなど)を担当する部下も1人つくという。面白そう!やっぱり私はマーケティング系の仕事がいいかなぁ、などと期待が膨む。お給料も前々日に受けたスイスのリ○○○○グループほどは良くないけど、それでもかなりの高水準。何より憧れのブランドだし、時計よりジュエリーの方が興味がある。絶対行きたい!
さっそく、CV(英文職歴書)と、そのブランドへの個人的な思いをしたためたカバーレターをエージェントに送付。すぐに人事との第一面接が決まった。
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このポジションを紹介してくれた男性エージェントは、かなり経験が長そうで、事前にSkypeで面接のアドバイスをしてくれた。
経歴の説明やこのブランドに対する印象など、彼の想定質問にいくつか答えると、まず「翌葉さんは明るいし、面接慣れもしているようだから、そのまま自分らしく話せば大丈夫」と言ってくれた。「でも、」と忠告が続く。
- 質問には手短に答えて余計なことは言わない
- 会社規模や営業成績などを具体的な数字を入れて説明する
- 受けるブランドの商品名を会話に散らばせる
- ブランドの強みと弱みを把握して語れるようにする
なるほど。勉強になる。さすが日本人エージェントは、事前に話した数人の外国人エージェントに比べて指導が丁寧だと感じた。
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人事との第一面接。エージェントによると、人事の女性は経験豊富で、一年ほど前にリ○○○○グループから移った方だと言う。結婚して子どもいるので、働くママにも理解があるとのこと。実際オンラインで会ってみると、聞いていた通り、気さくで素敵な女性だった。
質問のやり取りは順調に進み、最後に私がチーム構成に聞くと、丁寧に説明をしてくれた。マーケティングチームは、トップのディレクターの下に7人のスタッフがいて、全員女性。そのうち3人が今月辞め、残りのメンバーも1人を除いて入社3年以内なので、とても新しいチームになるという。
あれ?気になったので、率直に聞いてみた。「ディレクターの方は長いんですか?」と私。「いえ、ディレクターも去年入ったので新しいんです」と人事。
あれれ??っていうことは、上司が去年新しくなって、この4月に7人中3人が辞めるってこと??しかも、私が応募しているトレードマーケティングの前任者は16年も勤めていたとエージェントから聞いている。16年もいた人が、上司が変わったとたんに辞めるなんて・・・。ファッション業界にありがちなやつじゃないかしら・・・。頭の中に不安がよぎる。
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無事に人事との面接に通り、二次面接に進んだと、エージェントから連絡がきた。次の面接官は直属の上司になるマーケティングディレクター。エージェントが事前に色々と情報をくれた。お名前は〇〇さんで、去年ラグジュアリーじゃない別のジュエリーブランドから来た40代後半〜50代前半の女性だという。専門はPRやトレードマーケティング。私の"既婚ですか"という質問に"それはわからない"と言う。
う〜む、やはり、ファッション業界にありがちなアレでは・・・。
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高級ホテルのPRマネージャーをしている友人にLINEでその話していると、"そのディレクター、なんて名前?"と聞かれたので教えると、しばらくしてメッセージがきた。「その〇〇さん、去年まで〇〇〇〇〇〇〇(有名な中間価格帯の外資ジュエリーブランド)にいたらしいよ。うちのホテルで以前、そのブランドがイベントをした時に、こちらの不手際があって、30歳くらいの女性スタッフがその人に怒鳴りつけられて、私の上司が謝ったんだって」
まさか、そんなとこから情報が入るとは。
でも、やっぱり!
ファッション業界にありがちな、若い女性スタッフに厳しい独身アラフィフの怖い女性上司。部下がいっぺんに辞めたという話にも説明がつく。頭の中の不安が現実になった感じ・・・。
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4月下旬。
どきどきしながらマーケティングディレクターとの面接にいどむ。
再びSkypeでの面接。緊急事態宣言の中なので、画面の向こうのディレクターは自宅にいる。リビングにいるらしく、後ろに白いカーテンが見える、ラグジュアリーな雰囲気のマンション。白金あたりにありそう。お部屋の感じでから、独身子どもなしなのがわかる。本人はクールビューティーなちょっと冷たそうな美人。正直、あまり笑顔がなくて怖い。こちらがなにを話しても反応してくれない。ときどき画面がフリーズしているのかと思ったら、フリーズしているのは彼女の表情で、通信のエラーじゃなかった(汗)。
ブランドへの思いについて聞かれたので、迷ったが、正直に結婚指輪で毎日身につけていると答えると、そうですか、と冷たい答え。ち〜ん・・・。
そのままぎこちない雰囲気のまま、面接は終わった。
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1週間後にエージェントから連絡が来た。
面接の結果は、保留。ディレクターは私の人柄にはいい印象を受けたけど、他の候補者と比べたいので来月半ばまで待ってほしいという。
とりあえず、落ちなくてよかった・・・。この面接を通過すれば、次はフランス人社長との面接だから、外国人相手に英語の面接なら自信がある。
でも、もし受かってもあの怖い上司の下で働くのはどうかなとも思う。もうこの年になって、職場の人間関係で悩みたくないし、9年ぶりに日本で働くのに、上司にびくびくしながら働いて成果をあげる自信もない。何より、4歳と1歳の子どもを保育園に預けて働くのに、上司が独身というのは理解がなさそうで心配。
ああ、就職活動って思うようにいかないものだな。グループもブランドも憧れだし、仕事の内容も楽しそうだし、お給料もいいのに、上司が怖い。まあ、でもそうだよね。条件が完璧だったら誰も辞めないからポジション開かないもんね。
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結局、長い事待たされて結果が出たのは6月中旬だった。
落ちた。
憧れのブランドだから残念だっけど、あの人の下で働くことにならずによかったと真底思えた。
さあ、まだまだ受けるぞ、Go ladies!