私がフリーランスとして働いている会社では、毎月第1週は、ディレクター陣は朝から晩まで会議に明け暮れる。社長、副社長とディレクター一同が会する部長会議に始まり、リテールやECなど各部署の会議があり、ディレクターは自分の部署以外の会議にも参加するからだ。
今月の会議は私にとって、かなり辛いものだった。
私の所属する営業部の2月の売上が最悪だった。元々小売業において、"ニッパチ"と言われる2月と8月は年の中でも売上の低い月だけど、今年は緊急事態宣言もあり一般消費市場がかなり冷え込んでいる。しかも、直接担当しているブランドの売上が、昨年かなり落としている中、さらにずとんと落ち込んだのだ。
こんな時は会議でも肩身が狭い。もちろん、売上が苦しいのはECチーム以外はどこも同じだけど、私は会社に新風を吹かせるべく、今年からディレクターに任命されたのだから、やっぱりはやく結果を出したい。副社長の一存で、私を採用し、重要なポジションにつけてもらったのだから、がっかりさせたくないし、期待に応えたいという気持ちもある。あからさまではないけど、他のディレクターからのちょっとした反感や"翌葉さん雇って売上あがるのか"という疑いの目もなくはないし。
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まあ、とは言え、まだディレクターになって2ヶ月だし、焦ってもしょうがないよね・・・。組織の中である程度の摩擦やテンションがあるのは健全だし、他のディレクターとの政治もゲーム感覚で楽しもうと思う。消費も今月あたりから少しずつ上昇するだろうし。ポジティブに努めてあれこれ試しているうちに、売上も自然についてくるでしょう。焦らない、焦らない、と自分に言い聞かせた。
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もう一つ、一日中会議に時間を取られると辛いのは、その間業務ができずに仕事がたまること。会議中でもどんどんメールやチャットが来て、夕方には返信必要なものが10個以上たまることもある。焦りが募る。
実はうちのチームにはまだ部下が揃っていない。前任の部長の下で去年末で辞めた女の子の後任が来るのが今月半ば。だから、その子の担当ブランドの業務は自分でこなしている。倉庫到着した商品の数が合わないだの、商品の素材の資料がないだの、細かい仕事が山積みだ。一つ一つの作業は難しいものではないので、落ち着いてPCに向かう時間さえあれば、どんどん片付けることができるのだけれど、その時間が取れないもどかしさ。
管理職として、各部署の取り組みを聞いて改善点を一緒に考えることはとても大切で面白いところだけど、一方でプレーヤーとして片付けない業務があると、板挟みのように感じる。
他の(男性の)ディレクター陣は、会議の後残業して自分の仕事を片付けているみたいだけど、私にはそれができない。会議を終えると、保育園のお迎えのために、そそくさと会社を出ることが多い。週に1度か2度、夫が在宅勤務の日に保育園の送り迎えを頼めると本当に幸せな気分。普段の1時間前に会社に行けて、終業時間いっぱいまで働ける。
あ〜あ、いつもこうならいいのに。元来私は仕事大好き人間で、母親であることよりもプロフェッショナルでいることの方に生きがいを感じるたちだ。今仕事がとても面白いから、保育園の送り迎えがかなり負担。他のディレクターのように、フルフルで働けるのが羨ましい。
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いやいや、そんな考えはやめよう、自分に言い聞かせた。"仕事と子育ての両立"という考え方に囚われると、ろくなことない。仕事している私も、幼い2人の子どもを育てている私も、同じ一つの存在で、それを切り離して考えるのは不毛なこと。確かに時間の上では、会社で仕事する時間と近所や家で子どもと過ごす時間は別のものだけど、だからといって対立している時間ではないはず。
仕事しているから素敵なママでいられるし、子どもたちがいるから仕事がんばれる。
そうだ!仕事も子育ても両方とも楽しんで、その時その時したいことを優先させればいい。時間が足りないと感じる時は、何を優先させるべきか冷静に判断して、それだけすればいい。細かいことができなくても気にしない、気にしない。
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そんなこんなで、会議をWEEKを何とか乗り越えた。何度か会議中に胃が痛くなるような気分になったけど、最後にはポジティブな気持ちを持ち直せた。
また来週から頑張るぞ!Go ladies!